2025年8月21日(木)、夏の甲子園はいよいよ準決勝を迎えます。
高校野球2025夏、準決勝第一試合は東京代表・日大三高と、岐阜代表・県岐阜商業。
どちらも歴史と実績を誇る名門校であり、「東西の強豪対決」として大きな注目を集めています。
本記事では、両校の歴史や今大会の戦績、注目選手、監督監督を紹介していきます。
日大三高の紹介
東京都を代表する強豪・日大三高は、甲子園常連校としてその名を全国に轟かせてきました。
2001年、2011年に夏の甲子園を制しており、攻撃力と選手層の厚さで知られています。
今大会も、持ち味である打撃力を武器に勝ち進んできました。
監督紹介
チームを率いるのは小倉全由監督。
伝統の「日大三スタイル」を継承しつつ、徹底した打撃指導で選手を鍛え上げる手腕に定評があります。
甲子園での経験も豊富で、大舞台に強い采配を見せています。
詳細プロフィール:小倉全由 監督
小倉 全由(おぐら まさよし)監督は、1957年4月10日生まれ、千葉県出身。
高校時代は母校である日本大学第三高等学校の野球部で控え内野手としてプレーし、卒業後は日本大学に進学。
在学中から母校の野球部で学生コーチを務めるなど、早くから指導者としての道を歩み始めました。
指導者としての歩みとスタイル
1981年、関東第一高等学校の監督に就任。
1987年春のセンバツではチームを準優勝に導き、その指導力が全国に知られることになります。
1997年には母校・日本大学第三高等学校の監督に就任し、2001年の夏の甲子園で全国制覇を達成。
チーム打率0.427という驚異的な数字を残し、強打の三高を全国に印象づけました。
さらに2011年の夏にも再び日本一に輝き、「日大三スタイル」と呼ばれる攻撃的な野球をチームに根付かせました。
2023年3月に定年退任後も、U-18日本代表監督として後進の育成に尽力。
長年の経験と指導哲学をもとに、高校野球界の発展に貢献しています。
指導の特長と哲学
小倉監督の指導スタイルは、「打撃を基本に中盤から終盤で勝負を仕掛ける」という攻撃的な野球。
打者のスイングの質やタイミングを徹底的に磨き、打撃フォームや状況判断を重視した練習を行うことで、個々の技術とチーム全体の爆発力を高めてきました。
また、勝利至上主義ではなく、「このチームでやれて良かった」と選手が思える環境づくりを大切にしています。
結果だけでなく、選手の人間的成長を重視する姿勢は多くの高校球児に影響を与えました。
さらに、ピンチの場面でも冷静沈着。継投や打順変更など、相手の流れを断ち切る采配にも定評があり、勝負勘の鋭さは全国でも屈指と評価されています。
影響と功績
小倉監督は、関東第一と日大三で合わせて甲子園に通算21回出場。
その中で全国制覇2度、ベスト4・ベスト8多数という圧倒的な実績を残しています。
「伝統を守るだけでなく、時代に合わせて進化させる」ことを信条とし、晩年には「日大三スタイルをアップデートする」という言葉を残しました。
その柔軟な指導姿勢は、若手指導者にも大きな影響を与えています。
また、彼のもとで育った選手の多くがプロ野球や社会人野球で活躍。
高校野球界を超えて、プロの世界でも“小倉チルドレン”と呼ばれる選手たちが多数存在します。
現在の活動と理念
退任後も講演や育成活動を通じて野球界と関わり続けており、「野球を通じて社会に出ても役立つ力を育てる」という信念を貫いています。
小倉監督は、野球を単なる競技ではなく“人を育てる教育の場”と捉え、選手一人ひとりの可能性を引き出すことに情熱を注ぎ続けています。
その姿勢は、今なお高校野球指導者たちに大きな影響を与え続けており、彼が築き上げた「攻撃的で粘り強い三高野球」は、後輩たちにしっかりと受け継がれています。
日大三高の注目選手
- 松尾陸翔(投手):安定感ある制球と多彩な変化球で試合を組み立てる投手。
- 大谷健翔(主将・内野手):攻守でチームを牽引するリーダー。勝負強い打撃も魅力。
- 若林悠人(外野手):長打力があり、一発で試合を動かせる存在。
日大三高の今大会の戦績
日大三は初戦から勢いを見せ、1回戦で広陵(広島)に6-3で勝利。
2回戦では近江(滋賀)を8-4で撃破し、3回戦では横浜(神奈川)に7-5で競り勝ちました。
さらに準々決勝では優勝候補の大阪桐蔭を4-3の接戦で下すなど、強豪を次々と破ってきました。
打撃力と投手陣の安定感がかみ合い、ここまで危なげなく勝ち上がっています。
県岐阜商業の紹介
一方の県岐阜商業は、岐阜県を代表する伝統校で、全国でも屈指の歴史を誇ります。
春夏合わせて甲子園出場70回以上の実績は全国最多クラス。
投打に粘り強い戦いを見せ、地方大会から勢いそのままに勝ち上がってきました。
監督紹介
指揮を執るのは鍛治舎巧監督。
かつて秀岳館(熊本)を甲子園の常連に押し上げた名将で、2018年から県岐阜商を率いています。
徹底した基礎練習とチームマネジメントにより、県岐阜商を再び全国区へと押し上げました。
鍛治舎巧監督の人物像と指導哲学
鍛治舎巧監督は、1951年5月2日生まれの岐阜県出身。
高校時代は県立岐阜商業高校(現・県岐阜商)でエース兼4番打者として活躍し、1969年のセンバツではチームをベスト8へ導きました。
その後、早稲田大学に進学。卒業後は社会人野球の松下電器(現・パナソニック)でプレーし、後に監督としても指導に携わるなど、学生時代から“理論派指導者”としての片鱗を見せていました。
また、中学硬式野球チーム「枚方ボーイズ」を率い、日本一を複数回達成するなど、若年層の育成にも長年貢献しています。
野球の基礎を大切にしながらも、時代に合わせた柔軟な指導スタイルが高く評価されています。
秀岳館から県岐阜商へ──名将としての実績
高校野球の監督として全国的に名を馳せたのは、熊本の秀岳館高校時代。
2016年から2017年にかけて、春夏連続で甲子園ベスト4入りを果たし、短期間で無名校を強豪へと押し上げました。
徹底した基礎練習と戦略的な采配で知られ、当時から「再建の名将」と呼ばれていました。
2018年には母校・県岐阜商業高校の監督に就任。
低迷していたチームを立て直し、再び全国レベルへと引き上げます。
就任初年度から県大会を制し、数年で甲子園常連校の地位を取り戻しました。
攻撃力と守備の安定を両立させた“鍛治舎流ベースボール”は、全国から注目を集めました。
鍛治舎監督の指導スタイルと哲学
鍛治舎監督の信念は「長所を伸ばせ」という言葉に集約されます。
選手の欠点を直すよりも、個々の持ち味を最大限に活かすことを重視。
「10点中7点の選手より、10点満点の個性を3つ持つ選手を育てたい」という考え方で、選手一人ひとりの特性に合わせた指導を行います。
また、徹底した基礎練習の中にも“考える野球”を取り入れ、選手に試合状況を読む力や自己判断力を求めます。
単なる根性論ではなく、「野球を通して社会に出ても通用する人間を育てる」という教育的視点が、彼の指導の根幹にあります。
チーム再建と人材育成への情熱
鍛治舎監督のもう一つの特徴は、「環境づくり」に対するこだわりです。
選手が伸び伸びと練習できる空気を大切にし、チーム全体が一体感を持てるようにマネジメント。
その結果、県岐阜商は「一人ひとりが主役になれるチーム」として再評価されました。
さらに、卒業生の多くが社会人・プロ野球の舞台で活躍しており、育成力という点でも確かな実績を残しています。
高校野球において、「結果」と「成長」の両立を実現した数少ない監督の一人と言えるでしょう。
現在の活動と今後の展望
2024年に県岐阜商の監督を退任後も、鍛治舎監督は野球界への関わりを続けています。
講演や指導を通じて、若い世代へ野球の楽しさや大切さを伝える活動を継続中です。
彼が築いた“攻撃的で伸び伸びしたチーム作り”は、後任指導者にも受け継がれています。
「野球は人生の縮図。努力・仲間・責任を学ぶ場だ」という言葉の通り、鍛治舎監督の哲学は、今も多くの指導者や選手に影響を与え続けています。
県岐阜商の注目選手
- 石田大和(投手):キレのある直球とスライダーで打者を翻弄するエース左腕。
- 加藤瑛人(内野手):守備範囲が広く、打撃でも存在感を発揮。
- 小林俊介(捕手):巧みなリードで投手陣を支える頭脳派キャッチャー。
県岐阜商の今大会の戦績
県岐阜商は初戦で智辯和歌山に5-2で勝利し、2回戦では仙台育英を延長の末、3-2で下すなど勝負強さを発揮。
3回戦では星稜(石川)を4-1で撃破し、準々決勝では名門・明徳義塾に6-5で競り勝ちました。
接戦をことごとく制してきた粘りが、強豪・日大三との一戦でどう生きるか注目されます。
高校野球2025夏 日大三高 vs 県岐阜商|試合の見どころ
- 打撃力 vs 守備力:日大三の強力打線を、県岐阜商の堅い守りと石田投手がどう封じ込めるか。
- 監督の采配対決:小倉監督と鍛治舎監督という名将同士の駆け引きも大きなポイント。
- 一発勝負の緊張感:準決勝という大舞台で、どちらがプレッシャーを跳ねのけられるか。
まとめ
日大三と県岐阜商、どちらも名門でありながら対照的なチームカラーを持っています。
豪打で押す日大三か、粘りと守備で勝負する県岐阜商か――。2025年夏の甲子園準決勝第1試合は、まさに「王道と老舗の激突」となるでしょう。
高校野球ファンならずとも注目必至の一戦。甲子園の歴史に新たな名勝負が刻まれる瞬間を見逃せません。
👉 出典・参考:報道記事・スポーツメディア各紙(スポーツ報知、日刊スポーツ、毎日新聞ほか)

この記事を書いた人
管理人:山邊 俊太
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