リベロが前へ走ってトスを上げたり、サーブの前にベンチへ戻ったりすると、何ができて何ができないのか気になりますよね。
まず、バレーのリベロはサーブ、ブロック、ブロックを試みる動きができません。
ただ、トスや相手への返球まで禁止されているわけではないんです。
相手へ返すボールの高さや、トスを上げた場所・方法によって、できるプレーが変わります。

「今のトスはよくて、さっきは反則?」と迷う場面も、リベロの位置と味方の打点を分けると見えてきます。
サーブやブロックの決まりと合わせて、試合中の動きに沿ってお伝えします。
ここでは、JVAの2026年度6人制競技規則をもとにお話しします。
観ている大会に独自の決まりがあるときは、この記事と違う扱いもあるので、その大会の競技要項を確かめてくださいね。
バレーのリベロができないことを一覧で確認
リベロは、後衛の選手と入れ替わって守備を担当する選手です。
後衛の選手と代わると聞くと、前へ出てはいけないようにも思えますね。
でも、前へ走ってボールを拾ったり、相手コートへ返したりすることはできます。
「トスだから反則」「返したから反則」ではなく、場所やボールの高さまで見て判断するのがリベロのルールです。
まずは表で、制限のあるプレーをつかんでみてください。
| プレー | 扱い | 条件 |
|---|---|---|
| サーブ | 不可 | リベロとしての出場中は禁止 |
| ブロック | 試みも不可 | ボールに触れなくても対象 |
| 自分で相手へ返す攻撃 | 高さによる制限 | ボール全体がネット上端より高い位置での完了は禁止 |
| 前から指で上げるトス | 後の攻撃に制限 | 味方がボール全体がネット上端より高い位置で攻撃完了すると反則 |
リベロはサーブとブロックができない
JVAの標準規則では、リベロはサーブを打てません。
サーブの順番が近づくとベンチへ戻るのは、このためなんですね。
元の選手へ戻ってから、その選手がサーブを打ちます。
ネット際で手を出したのに、ボールには触れていないまま笛が鳴ることもあります。
リベロは、ブロックで止めようとする動きだけでも反則になることがあるからです。
ただし、ネット際で相手のボールを止めるブロックと、前へ走って低いボールを拾うレシーブは別です。
前へ出たり跳んだりしただけで、すべて反則になるわけではありません。
笛が鳴った場面では、低いボールを拾ったのか、ネット際で相手のボールを止めようとしたのかに注目してみてください。
出典:JVA 2026年度6人制競技規則(19.3.1.3・14.1)。
リベロの攻撃は打点で反則条件が変わる
リベロは、ボール全体がネット上端より高い位置にあるとき、そのボールを打って相手へ返す攻撃を完了できません。
「強く打たず、そっと返しただけなら大丈夫?」と迷うのがここです。
ルールでは、サーブとブロック以外で相手へボールを送るプレーを「アタックヒット」と呼びます。
強いスパイクも、片手でそっと押し返すプレーも、この中に入るんです。
ほかの後衛選手とは違い、リベロはアタックラインの後ろから跳んでも、高い打点で攻撃を完了できません。
反対に、触れた瞬間にボールの一部がネット上端より低ければ、この高さの制限にはかかりません。
打ち方の強さより、触れたときのボールの位置を見ると違いが分かります。
その場合も、ネットに触れたり、ボールをつかんだりすれば、別の反則になることはあります。
もう一つ、ルールでいう攻撃の「完了」は、打った瞬間とは少し違います。
ボールがネットの真上の境目を完全に越えたときか、相手選手に触れたときを指します。
攻撃するつもりだったかどうかではなく、ボールの高さと、その後の動きで判断されます。
出典:JVA 2026年度6人制競技規則(13.1・19.3.1.2)。
リベロのトスが反則につながる条件
リベロがネット近くで指を使って上げると、「前からのトスは反則では?」と思うかもしれませんね。
実は、前から指でトスを上げた、というだけでは反則になりません。
その後、味方がそのボールをどの高さで打ち、攻撃を完了したかまで見るんです。
どこから、どう上げて、味方がどの高さで打ったかの順に追ってみてください。
次の3つの場面に分けると、同じトスに見えても扱いが違う理由が分かります。
前から指で上げたボールを味方が打つ場合
フロントゾーン内から指を使うオーバーハンドパスで上げたボールは、味方がボール全体がネット上端より高い位置で打ち、攻撃を完了すると反則です。
たとえば、ネット近くで乱れたボールをリベロが指で上げ、味方が高い打点で打ち込む場面です。
トスはつながっていても、その攻撃を完了すると反則になります。
味方が前衛でも、強く打たずに軽く返した場合でも、この制限は同じです。
では、味方はいっさい触れないのかというと、そうではありません。
いったんつなぐなど、高い打点で直接攻撃を完了しなければ、このトスを上げたことで直ちに反則になるわけではないんです。
前からでもアンダーハンドで上げた場合
腕を組んで下から上げるアンダーハンドパスなら、指を使うトスと同じ制限はかかりません。
ネット際でリベロが下からボールを上げたら、指で上げるトスとの違いを思い出してみてください。
同じ場所でも、上げ方が変わると、この制限がかかるかどうかも変わります。
前にいたから反則、という決まりではありません。
ただ、リベロのトスが問題なくても、次に打つ選手のルールは残ります。
後衛の選手が打つなら、その選手はバックアタックの決まりを守って打ちます。
アタックラインより後ろから上げた場合
フロントゾーンの外からなら、同じように指でトスを上げても、リベロのトス特有の攻撃制限はかかりません。
ここで迷いやすいのが、アタックラインぎりぎりから上げたトスです。
線の上もフロントゾーンに含まれるので、「線に乗っているから後ろ」とはならないんですね。
サイドラインの外にも、フロントゾーンが延びている場所があります。
コートの外まで追いかけて上げたトスでも、場所によっては同じ制限がかかります。
外に出たかどうかだけでなく、アタックラインの延長に対してどちら側にいたかも見てみてください。
とはいえ、線の近くで跳んで上げるトスは、映像だけでは見分けにくいこともあります。
足元や踏み切った場所が映っていなければ、その映像だけで反則かどうかは言い切れません。
出典:JVA 2026年度6人制競技規則(1.4.1・19.3.1.4)。
入れ替わりは自由でもタイミングには決まりがある
リベロが何度もコートへ出入りしていると、交代の回数を使い切らないのか気になるかもしれませんね。
リベロの入れ替わりは、通常の選手交代とは別で、回数の上限もありません。
ただし、プレーの途中で好きなときに代われるわけではありません。
基本はプレーが止まっていて、サーブのホイッスルが鳴る前に代わります。
一度代わったら、原則としてラリーが一つ終わるまでは、次の入れ替わりができません。
短い間隔で代わったように見えても、すぐに反則とは決められません。
リベロがプレーを続けられなくなったときなどは、例外もあるからです。
リベロを2人登録していても、同時にコートに入れるのは1人です。
代われる選手やタイミングを詳しく知りたい方は、競技規則19.3.2にまとまっています。
出典:JVA 2026年度6人制競技規則(19.1.3・19.3.2)。
リベロの反則でよくある疑問
「リベロはできない」と聞いていたのに、試合では似たプレーをしていると、戸惑うこともありますね。
見分けるときに迷いやすい場面を、もう少し整理しておきます。
リベロが自分で返す場合と、リベロのトスを味方が打つ場合を分けると、迷いにくくなります。
- Qリベロは前へ出てレシーブできますか?
- A
はい、前へ走ってボールを拾えます。
後衛なのにネット近くまで来ると気になりますが、ラリー中ずっと後ろにいなければいけないわけではないんです。
- Qリベロはボールを相手コートへ返せますか?
- A
返すことはできます。
ただ、触れた瞬間にボール全体がネット上端より高いと、その攻撃を完了できません。
強く打ったかどうかではないので、そっと返すときも高さの決まりは同じです。
- Qリベロのトスを味方が触った瞬間に反則ですか?
- A
味方が触れたところで笛が鳴ると、触ること自体がだめに見えるかもしれませんね。
でも、触っただけでは、必ずしも反則になりません。
前から指で上げたトスなら、味方がどの高さで打ったかと、その攻撃が完了したかで判断されます。
トスを上げた瞬間だけでなく、その先のプレーまでつなげて見てみてください。
迷ったら場所と高さ、プレーの順番を見る
リベロのプレーは、似た動きでも、場所やボールの高さで扱いが変わります。
観戦中に迷ったら、まずリベロ自身が返したのか、味方がトスを打ったのかを分けてみてください。
サーブとブロックはできませんが、トスや相手への返球まで全部だめ、というわけではありません。
誰が、どこで、どの高さのボールに触れて、その後どうなったかが分かると、笛が鳴った理由も追いやすくなります。
バレー用語の背景も知りたい方は、バレーボール用語の昔と今を解説した記事もどうぞ。
参考にしたサイト
この記事のルールは、JVAの2026年度版で確かめています。
観ている大会で違う扱いを見かけたら、まずは大会の競技要項も確かめてみてください。
大会独自の決まりと、ここで紹介した標準規則は分けて読むと、混乱しにくくなります。
日本バレーボール協会:2026年度6人制競技規則(1.4.1、13、14、19)。

この記事を書いた人
管理人:山邊 俊太
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